白銀の結晶

虚空を踊る 無数の結晶 大地を白銀に染める
静かに埋まる世界は 寂しくて 少し切ない
生命の温もりとは 正反対の 鋭き冷たさ
だけど何処か 命の意味を 思い出させる

温もりに落ちれば 儚く消えて 終えるでしょう
だけどその冷たさは 初めての 温もりを知る
その刹那が 無意味だと笑えば 生命も虚しい
心を埋めて行く 瞬間が結晶 世界を埋め尽くす

まっさらな白に 刻まれた 足跡の行方
降り積もる銀の 光に輝く 立ち並ぶ木々
無音の世界に 零れた塊が 響き渡る時間
揺れる結晶が 風に舞い踊り 魅了する心

一時の季節 貴重な風景 其処にある美しさ
確かにある営みに 馳せる思い 懐かしき念
誰にでもある心が 揺らめき 重ねられる
忘れてはいけない 一瞬一瞬の 大切さ

今だけは全てを 隠されて 過ごしましょう
だけどその小さき 生命の 儚さに触れて
今を噛み締める 流れ行く時を 自身の温もりを
無駄にしては ならないのだと 心の奥に

吹き抜ける風に 大地の白は 空をもう一度
世界を覆う 煌く銀は 生命を潤す水に
小さき灯火に 丸められた塊は 明るき笑顔に
視界を彩った 沢山の結晶達は 明日の思い出に

『貴方は何を重ねた 世界に揺れた その白き雪に』


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