狭間の世界

僕は世界から 逃げ出しては
生きる事すらも 止めていた
だから本当に 逃げたんだよ
死んでしまおうと 飛び降りた

死んだら来るのか 水面の上
漂い続けて 毒づいた
最低な世界 死が正解
あんな場所なんて 死ぬためだ

だが僕の顔を 覗きこんだ
知らない誰かが 笑い出す
「お前に未練は あの世界に
 縛るものは無いか 思い出せ」

笑ってる女 僕に語る
何が楽しいのか 笑いながら
「お前に繋がる 縁達を
 全てくだらないと 笑うのか」

死神か閻魔 そんなとこか
なんて考えて 思い出す
最悪な世界 あの場所に
何があったのかと 糸を引く

大切な人を 奪った場所
信じた友には 裏切りだ
仕事は怒鳴られ 嫌われてた
何に縋れと 言うのか

それでも女は 語り掛ける
見透かした目をして 問いかける
「苦しみだけでは 成り立たない
 それならまだ早く 死んでいる」

大切な人と 過ごした時
友達と笑う 幸せ
仕事が成功 信じられて
最初は上手く 行ってたのに

でももう終わった 死んでいる
とたんに悲しく なるけれど
女は笑ってる 悔しいけど
誰も責められない 選んだ事

女は頭を 蹴飛ばしては
綺麗な笑顔で 見詰めて来る
「お前は死んでは いないのさ
 さっさと帰りな もう来るな」

僕は世界へと 舞い戻って
再び世界を 生きて行く
心の中で 笑いやがる
あの女さえ 悔しがる

幸せを つかむため


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