始まりの軌跡

全てが絶望に塗れた世界ならば
希望に咲く一輪の華は
簡単には見付ける事は不可能
しかし見付け掴む事が出来たならば
それは包み込む闇を切り裂き
光の中に引き戻す道標の縄と成ろう

死に魅了され逃避の選択肢に縋る者には
人生に紛れ込む幸福に気付かせる
何者かの教えに実感の衝撃は
無感動の日常を打ち壊す波として
それ自体が幸福の断片として
生の鼓動と共に己の存在の証を刻む

苦痛に苛まれ己の人生を直視出来ない時には
積み重ねられた疲労を癒す
優しき支えの出現が必要
普段の日常に紛れ込む当たり前
当然と変えてしまった環境に気付く事
頷く事が出来れば痛みは和らげられる

孤独に陥り未来の可能性を否定する心には
静寂に満ちた水面に揺れる波紋
小さき変化に生きれる実感
選び取って行く未来の選択肢
進み行く道の自信と成変わり
己の力で未来へと進む礎を築く

全てが闇色に染まろうとも
其処が終着駅では無いと頷く事
それが希望への第一歩
気付かせるのは日常に現れる変化か
それとも既に近くに居る存在か
気付けば再び道が開けて行く

終わりとは存在しない
それは思い込む事で諦めて
一時の忘却に浸る事で
自身を安定させたいだけ
終わりは何処にも無い
存在したとしても

次の瞬間には始まっているのだから

『始まりの奇跡』


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