群雲

隠されたのは月だったかな?
それとも地面に歩く僕らだったかな?

大地から空を見上げる僕らは
普段は気にする事無く生きていても
隠されてみると寂しいものかな
当たり前が欠けてしまうんだから

孤独でいても月は
見守っていてくれる気がするから
見える夜は何処か
心は安堵したりして

隠されたのは月だったかな?
それとも地面に歩く僕らだったかな?

永遠に俯瞰から見下ろす景色は
如何に綺麗なものだろう
広過ぎる視界からじゃ
少しくらい隠れた方が見易いかい?

それとも隠れてしまえば
面白みがないって
顔を背けてしまうかな
その広過ぎる視界に

月から見える世界は広大で
僕らから見える世界は小さなもので
壮大な事に心打たれたりするけれど
小さなものに悩みのたうち苦労する

見上げる月を隠さないでおくれ
狭い世界しか見れない僕らが
遠い世界と繋がっていることを
教えてくれる一つの証明を

隠されたのは月だったかな?
それとも地面に歩く僕らだったかな?
狭間に滑り込む群雲よ
君はどう思う

人として生きる者には
人からしか見れないよ
空から見る僕らは
どう見えるのかな


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