心の虹

灰色の雲が 世界を覆う 影が大地に伸びる
何処へも 行けぬ様な閉塞感 息が詰まる
降り注ぐ雨さえも 滴る雫の音も 寂しさを
苦しいよ まるで僕の 心を見せ付けられる様で

天空が見せた光 雷は光を断って 闇が支配する
何時もは当たり前に 時を刻む音も 止んでは孤独感
瞳を逸らし続けた 己を直視するしか 紛らす術が無い
世界が生きていると 実感できるのは 己の存在のみ

呼吸も声も 流れる涙の嗚咽も 響いては木霊する
恐怖に立ち向かえる 勇気や強さを 持てたなら変わるか
支えてくれる縁を 持っていたなら 立ち上がれたのかな
己の罪を受け入れ 生き直せば こんな孤独は

雷雨の轟音に 掻き消される声も 叫びも
忘れる位に 終わった世界を走る 気が狂った様に
子供の頃 誰かが言った 雨の後の虹
己の心には 誰が虹を架けて くれるのだろうか

強がっては 大丈夫な芝居 本当は辛かった
諦めては隠して 誤魔化し切れなくて 本当は求めてた
絶望だけだと 理解しても 希望を信じたかった
誰かが変えてくれる 気付いてくれる 助けて

少しずつ弱まる雨 疲れ切った僕は 座り込む
涙はまだ止まらない 悲しくて 切なくて
すると突然止んだ雨 差し出された傘が 遮る
笑い掛けた女の子 優しく差し出す手が 涙を拭う

今日の土砂降りの雨 空には虹は架からなかった けど
僕の心には 小さな虹が 顔を出した
今なら笑えそうだ 心を埋め尽くした 荒波を
鎮めてくれた この女の子に向けて 最高の笑顔を

「ありがとう」

優しき貴女の 思い遣りの 美しさに
笑顔を思い出せた この刹那の 有り難さに


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