魂の軌跡

大地から零れ落ちた灯火一つ
命の器は降り行く輝きを取り逃した
果て無く消え行く不幸な欠片は
孤独の闇夜に泣き叫ぶ迷子

己の場所の存在しない世界から逃げた
一つの灯火は視点が違えば尊き幸福か
終局の無い闇の底に落ち行く
其処では新しき何かを掴めるのか

縋れる者は何一つ無い絶望
しかしその場所で手にしたものは
他者に依存する弱き心ではなく
己の真実を知る悟りの境地

隙間無く犇き合い燃え滾る蝋燭が
煌き重ねて一つの魅力と化した舞台
耐え切れられず暗澹に沈んだ炎が
空虚な暗黒を踊る軌跡の独壇場

孤独と呼ばれるべき悲哀に満ちた姿か
孤高と称されるべき誇りに溢れた背か
それこそ千差万別変わる不確定
断言する事は愚行と嘲笑される

繰り返される螺旋から外れた光
命の器が紡ぐ生命の循環からも
受け止められなかった淋しき運命
それでも形の違う一つの役目

闇の中で永遠に続く道を
唯一つの輝きである己が在る理由を
光を以って何かを成せる意味を
万物に劣る事の無い価値を

その生命と言う灯火が実感するならば
それは全てが最悪であるとは言えない
闇の中に魅せた何にも代え難い
魂の奇跡


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