優しい嘘

誰かが心にも無い事を
君の為の助言と語り始める
適当に当て嵌めただけの
穴だらけの理論なのに
傷付いた心には少し優しい気がした

本当にその言葉が欲しいのは
語ってる自分自身なのに
誰かの為と繰り返す
何時か自分が貰えるのだと
待ち続けながら

安定できる場所を探している
ただの一時凌ぎだと心の何処かで
解ってる癖してその刹那を羨望で見詰めてる
不安定な自分が何もかも崩壊に導くと
何の根拠も無い嫌悪を抱いてしまうから

誰かが思いもしない事を
口先だけの嘘を並べている
真実の刺を知ってるからって
優しさを混ぜた心算でも
のぼせ上がらせるだけで結果は傷付くのに

一番に望まれる姿は
願望と重なっているのに
誰かは酷と瞳を背ける
心は否定を続け肯定など出来はしないと
知っているから

救い出せるのは自分自身だけ
誰かの優しい嘘など一瞬で消える
自分で組み上げた現実でしか納得出来ないから
見付けてやる位の心を燃やし抗わないと
自身が生み出した負に飲み込まれるだけ

君はどうだった
幼き子供の頃
どんな時より心に正直だった瞬間
他人の遊びを見るだけで
満足できたかい


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